なんか知らないけど家にニコンのフルサイズ一眼レフ、Dfが生えた。
毎日、寝る前に「ニコンのDfが生えてきますように」とお祈りしていたら、本当に生えてきた。
信じたらカメラは生えてくる。
テンションが上がってとりあえず黒バックで撮った。
嬉しい。あまりにも嬉しい。
あまりに嬉しすぎて、まだ手元にまともなレンズが揃ってない。ボディと単焦点レンズしかない。アホか。
とはいえ、普段オリンパスのE-M1 MarkIIを使っている僕からすると、念願のフルサイズ機である。ズームレンズが無くともシャッターは切れる。
なぜ、E-M1 MarkIIを使っている僕が、Dfを選んだのか。
レビューしていきたい。
追記:
使い始めて半年ほど経ったので、別記事でメリットとデメリットをまとめました。
関連記事:
ニコン Dfとは
ニコンDfは、ニコンから2013年に発売されたデジタル一眼レフである。
フィルムカメラを彷彿させるボディに、当時のフラグシップモデルD4のセンサーを詰め込んだ変態仕様で、2013年発売ながらいまだに現行機。
新品価格もそれなりにするし、中古市場も全然値崩れしていないのではないか。
そう、僕のようなカメラ初心者がいまさら語るまでもないニコンの名機である。
ニコンのFXフォーマット一覧にもまだ載ってる
一眼レフカメラ製品一覧 | 一眼レフカメラ | ニコンイメージング
発売当時、僕はまだカメラを始めてすら無かったが、話に聞く限りはとんでもなく話題になったらしい。
なにしろニコン1桁機譲りの画質に、このデザイン。
この記事を書くためにググった限りでも、開発者インタビューとか対談がたくさん出てくる。
まあ、なんといってもめっちゃカッコいいもんな・・・
しかし、今はもう2018年、さすがに5年前の機種である。
上の画像を見れば分かる通り
- 画素数は1625万画素
- 常用ISO感度は12800まで
- 連写は5.5コマ
- 動画機能無し
と、今の一眼レフ・ミラーレスのスペックから考えると、
やや見劣りする部分がある。
チルトシフトも無ければ、wifiも無く、タッチパネルもついてない。
画像エンジンもEXPEED3と、2世代前である。
もっとも、「写真」を撮るという用途において、必ずしもDfが劣っているわけではない。
ただ、僕はE-M1 MarkIIという甘々のぬるま湯でチャプチャプと過ごしてきたカメラ初心者なので、つい比べてしまうのだ。
なぜ今さらDfを手に入れたのか
じゃあ、そこまで言うのになんでDfやねん。
フルサイズが欲しいならD750でもα7シリーズでもなんでもあったんちゃうんかい。
と言われるかもしれない。
手に入れた理由 その1:画素ピッチに余裕がある機種を試したかった
個人的に、デジカメの画素数にそんなに頓着が無い。
むしろ、どちらかと言うと画素数は「ほどほど」がちょうどいいんじゃないかと思っている。
確かに、画素数があったほうがトリミングはしやすくなるし、高精細な描写が得られる。
今回、フルサイズを考えるにあたって、僕だって高画素機が気にならなかったワケではない。
2400万画素くらいの「ちょうどいい」解像度のカメラでもよかった。
でもまあ、高精細な画像なら、E-M1 MarkIIで撮れないわけでもない。今使っているE-M1 MarkIIは、マイクロフォーサーズのセンサーサイズながら2000万画素。レンズの解像度もあって、それはもうよく写る。
(当然3600万画素超えのフルサイズとは全然描写が違うわけだけど、それでもしっかり撮れる)
だから、せっかくだからカリカリっとした描写はE-M1 MarkIIに譲って、
フルサイズらしいダイナミックレンジの描写の機種を試してみたかった。
そうなると、1600万画素のフルサイズ、余裕のある画素ピッチの触れ込みのDfは俄然魅力的な機種になってくる。
まあホンネを言うと、
「僕の腕前だと高画素機の一眼レフはブレまくる。おそらく使い物にならない。」
というのが最大の懸念事項だったわけであるが。
手に入れた理由 その2:無骨なデザインがかっこいい
やっぱりカメラはシルバーカラーですよ。
前に使っていたE-P5がシルバーだったということもあって、このデザインに非常に愛着がある。
軍艦部のシルバーはロマン。E-M1 MarkIIもシルバーボディを出せばいいのになあ。
アルミ削り出しの独立したダイヤル類もかっこいい。
このあたりは富士フイルムのX-T2なんかにも共通しているけれど、やっぱり物理ボタンはカメラのメカメカしさを高めてくれる。
まあ操作には或る程度慣れが必要だけど・・・
手に入れた理由 その3:だって生えてきたんだもん
お察しください
実際にDfで撮ってみる
新しいカメラがあるととにかくいたずらにシャッターを切りたくて仕方がない。いい感じの枝を拾った小学生のようなものである。
とりあえず、良い感じの被写体が撮りたい。
いい感じの被写体と言えば女の子と猫。女の子はいない。
よって、猫カフェで試してみることにした。
猫カフェに持っていったレンズ
今回僕が猫カフェにもっていったレンズは
AI AF Nikkor 85mm f/1.4D IF
・・・いや、これもなぜかDfと共に一緒に生えてきた。信仰は奇跡を生む。
現在の中古相場は6~7万くらいだけど、発売当時の希望小売価格は162,000円。
マイクロフォーサーズに慣れている僕としては、単焦点でもこの値段のNikkorにびっくりである。
(今の85mm F/1.4 Gのほうが高いんだけど)
もっとも、写りは抜群に良い。
というか使ってみて初めて知ってびっくりした。
しいて言えばAFがうるさくて遅いところが難点だけど、それでもこの写りは有無を言わせない迫力がある。
猫カフェにて撮ってみた写真
(ISO400 F2.0 1/125秒 WB AUTO)
まずは撮ってだしで一枚。
すっごいボケる。こりゃ関西人としてはたまらへんでんがなまんがな。
ただボケるだけじゃなくて、ピント面からなだらかにスッと溶けていく。脳みそが蕩けちゃうよぉ・・・
ちなみにボケが良い感じなので誤魔化せた気になっているけど、ピントは鼻にきている('A`)
(ISO800 85mm F1.4 1/250 WB AUTO)
開放にて。
ピント面が薄氷のようで、撮っていてヒヤヒヤする。
カメラを覚えてからずっとミラーレスで撮っていることもあって、一発一発のシャッターが不安でしかたがない。
(ISO1600 85mm F1.4 1/125)
本来なら猫と同じ目線の高さで撮りたかったけど、
ファインダーを覗きながらということで膝をついて撮った一枚。
こういうアイレベルを変える撮り方は、E-M1 MarkIIのバリアングル液晶に軍配がある。
(ニコンの一眼レフのライブビュー撮影が使い物にならない、というのもあるけど・・・)
露出オーバー気味に撮って、Lightroomで補正。ISO1600ぐらいじゃほとんど画質劣化しないし、レタッチ耐性もばっちりだしさすがDfだ。
・・・いや、オーバー気味に撮った自覚は無かったんだけど、撮ったらオーバーだったんだ('A`)
ISO1600まで上げて何を言うかって感じだが。
このあたりの感覚もミラーレスでは絶対にありえないので慣れなきゃいけませんね。
(ISO1600 85mm F5.6 1/125)
絞って撮ってみる。
カリカリっとした感じではなく、自然にシャープになる感じが心地いい。
(ISO400 85mm F1.4 1/125)
縦位置で撮ってみる。
Dfはボディが軽いのもあって、サッと縦横を持ち変えられる。
ピントはきていない。
マイクロフォーサーズとは開放の被写界深度が全く違うこともあり、
ピンボケ写真を連発しているのは否めないところである。
このあたりはおいおい慣れていかなきゃいけない
E-M1 MarkIIとの住み分け
階調も豊かで、ボケも綺麗でDfはめちゃくちゃ楽しい。
シャッター音も心地いいし、ゴリゴリとダイヤルをいじっているのも気持ちいい。
でも僕にはE-M1 MarkIIもいる。E-M1 MarkIIもサイコーのカメラである。
「どっちが大事なのよ!」と両方から手を引っ張られている状態だ。
その上で、どのように立場を分けるか。
カメラ任せで素早く撮りたいときはE-M1 MarkII
Dfを使って感じたのは、撮りたいときにサクっと撮れないカメラだということ。
・・・いや、これは単純に僕が操作に慣れていないこともある。
E-M1 MarkIIの場合、ライブビューが軽快で手ブレ補正も効いて、開放からシャープで被写界深度もそこそこ深い。
シャッターを切るだけ、というのを前提にすれば、カメラを構えるのもそこそこにパッと撮れるカメラである(それでいい写真が撮れるかどうかは別の問題)
ファインダーに制約されない上に、バリアングル液晶を活かして、アイレベルを素早く変えて撮ることもできる。秒間のコマ数も多いので「抑え」の写真もばっちり撮れる。
加えて、ズームレンズのM.ZUIKO 12-40mm F2.8がとにかく便利であるのもE-M1 MarkIIの特徴だ。
そこそこ明るくて、AFも早くて、寄れてもちろん描写もいい。
24-70mmよりもちょっとだけ望遠なところもいい。これ以上に何を望むのか。
と、まあ、動物を撮りに行くときとか、混雑した場所でさっと写真を撮りたいときはE-M1 MarkIIかな、と。
あとは、その場で急にムービーを撮りたくなったときとか。
ファインダーとダイヤル操作でじっくり楽しむDf
じゃあ、反面Dfはどうするねん、という話だが、これはもう完全に100%趣味・写真を撮る行為を楽しむカメラなのだと思う。
カメラを構えてファインダーを覗いて、露出を見ながらダイヤルを操作して、シャッターを切る。
僕は写真を初めてからわりとすぐE-M1 MarkIIを買ってしまった上に、E-M1 MarkIIの性能にそれはもうバブバブと甘えて写真を撮ってきたので、
この当たり前のプロセスが全然できない。
要するにE-M1 MarkIIをコンデジ感覚で使っていたということになる。これはDfを持って初めて気づいた。
ヒャッハー!と息巻いてとりあえずシャッターを切るだけなら、露出がオーバーだったりアンダーだったりととんでもないことになってしまう。手ブレも発生しまくり。
このあたりの常識的な捉え方を、今後Dfのファインダーを通じて学んでいきたい。
我ながら贅沢すぎる先生だ。
単焦点とフルサイズセンサーで写りを楽しむDf
やっぱりDfは単焦点レンズが似合うボディだと思う。
・・・というのは建て前で、諸事情があって手元にFマウントのズームレンズがない。
手元にあるのは上述の85mm F1.4Dと、Ai Nikkor 50mm F1.4のみ。
85mm F1.4はAFが使えるからともかくとして、50mm F1.4はマニュアルフォーカスのみのかっちょいいレンズである。
これがまたとにかく僕の腕ではOVFでピントを合わせるのがめちゃくちゃ大変。
正直、オートフォーカスが使えるまともなズームレンズが欲しいのは否めない。
でもまあ、せっかくなので当面はDfは単焦点のみで運用していこうとは思っている。
一眼レフとミラーレスを使い分ける生活
以上、ミラーレスメインの僕が一眼レフに手を出すにあたってDfを選んだ理由・・・ということで書いてきた。
正直なところ、こうして書いてて、あまりにも贅沢でもったいない使い方である気がしてならない。
今のところFマウントをメインで使うつもりもないので、周辺機器も最低限で使っていく予定である。
久しぶりのブログ更新になったけど、
次回以降でDfで撮った写真や、ズームレンズを何買うか問題、Dfを使い続けて慣れてきたところや不満なところをつらつらと書いていけたらと思う。