廃墟っぽいところで写真が撮りたくて西宮の武田尾廃線跡に行ってきた。
武田尾廃線跡は結構前から有名なハイキングコースで、僕も10年くらい前に家族で来たことがある。
長年穴場スポット的な扱いだったみたいなんだけど、昨年大規模に整備されたらしい。
柵やベンチが整備されてるわりに、真っ暗なトンネルはそのままなので、安全に非日常を楽しむことができる。
問題はトンネルにたどり着くまでである。僕はJRの生瀬駅から向かったのだが、場所がとにかくわかりにくくて閉口した。
(行き方はこのブログがわかりやすかった)
それにしても、このトンネルは本当に暗い。
長いものでは数百メートルあって、その間になんの明かりもない。
暗いところは怖くないという人でも、最低限スマホの充電をしっかりとしてLEDライトをつけながら歩いたほうがいいんじゃないだろうか。
ひとたびライトを消すと、前も後ろもわからないくらいの闇が広がる。普段の生活で目をつむるよりも暗い。目が慣れようが関係がない。
自分の足元すらわからないのに、そんな中をひたすら歩いていかないと、闇から出ることすら叶わないのだ。
何しろなにも見えないので、次の瞬間目の前に壁があっても不思議ではない気持ちになる。足元に巨大な穴があるような感じがしてくる。
次の瞬間、後ろから誰かの手が伸びてくるかもしれない。その誰かの顔すら、暗すぎて見ることもできない。
自分はこの手のモノは平気だと思ってたんだけど、一つ目のトンネルを抜けた時点で、「なにやらとんでもないところに来てしまった」と思った。
ひとつひとつの出口が見えるたびにホッとするくらい。ちょっと駆け出したくなる。
こんな感じでトンネルを抜けながら、渓谷に沿った廃線跡を、枕木を踏みながら歩いていく。5㎞らしい。
道はなだらかな平地なのでそれほどつらくはない。ただ、それでも後半は距離以上の疲れがあった。それもこれもトンネルのせいだ。
フラッシュを炊いても、奥まで(当然ながら)届かない。
僕たちが日ごろ使っている光って、思ったより頼りないみたい。
ただ、フラッシュによって一瞬浮かび上がるトンネルの造形にハッとさせられることが多々あった。
そうそう。カメラは今回もOLYMPUS のOM-D E-M1 markⅱ、
レンズは12mm-40mm f2.8と、75mm f1.8を使い分けている
途中に積んであった木。これはなんだろう?線路の部品の一部だったんだろうか
古い木の電柱。電線が巻き付けてある。
幾度目かのトンネルを抜けたところに、橋があった
昔は、ここも枕木がむき出しになっていて、横の整備用通路を歩かなければならなかったんだけど、上に述べたとおりずいぶんきれいになっている。わたるのがずいぶん怖かった記憶がある。
それも今では余裕で歩けてしまう。奥に見えるトンネルに入るのがいやになるくらい余裕だ。
トンネルに入るのは嫌だったけど、トンネルに入ると必ず出口があるのはなかなかいい気分だった。
後半、日が傾いて西日が長くなってきたあたりが特にいい。日の位置も良くて綺麗だった。
今は新緑の季節だけど、秋になったらこれが紅葉すると思うと、またぜひとも足を運びたくなる。
最後のトンネルの出口をパシャリ。
楽しかったけれど、一人で来るには少し怖いところだった。
道中でポートレート撮影をワイワイとやってらっしゃる方がいたけど、そういう用途だともっと楽しいんだろうな。
ド田舎と思いきや、大阪駅から30分くらいで行ける場所なので、おすすめです。よかったらぜひ。