OLYMPUSのミラーレス一眼、E-M1 MarkIIを購入してから、来年の2月で3年になる。
E-M1 MarkIIと言えば、一眼レフからミラーレスの転換期の象徴ともいえるミラーレスであり、文句なしの名機。
購入当時は文字通り右も左も分からない初心者だった僕も、今では初心者を名乗れない程度にカメラに詳しくなってしまった。
文字通り、E-M1 MarkIIに写真を教わったと言っても過言ではない僕だけど、ここにきてどうして乗り換えを検討するのか。
ここ数週間、うだうだと悩み続けてツイッターでも書き散らしてしまったので、一度整理していきたいと思う。
- E-M1 MarkIIは発売3年経ってもなおトップクラスのミラーレス
- E-M1 MarkIIからの乗り換え候補①:SONY α7III
- E-M1 MarkIIからの乗り換え検討②:FUJIFILM X-T3
- 全部キャッシュバックキャンペーンが悪い
E-M1 MarkIIは発売3年経ってもなおトップクラスのミラーレス
E-M1 MarkIIはお世辞抜きで大変いいカメラだと思っている。
それまでのミラーレスとは一線を画す高速AF、一眼レフでは再現できない連写性能。マイクロフォーサーズならではの強力な手振れ補正によって、スチールでもムービーでも三脚やジンバル不要で撮影できる。ボディのサイズとレンズのバランスがよく、大口径のProレンズをつけても難なく扱うことができる。
この3年の間に、Panasonic のG9 pro、ソニーのαシリーズ、フジフイルムのXシリーズが発売したりとミラーレス一眼を取り巻く状況は変化してきた。
(キヤノンとニコンのフルサイズミラーレス?えーっと……)
しかし、それでもオリンパスはE-M1 MarkIIシリーズに地道なアップデートを施してくれていて、発売から3年が経ってもなお、撮影機能面では他社フラグシップ機に負けず劣らない。
正直、本当にいいカメラだと思う。
ぶっちゃけちょっとマンネリしてきた
そんなE-M1 MarkIIから買い替える理由はなんだろう。
何が不満なのだろう……
正直なところ、自分の中でも正しい答えが出ていなかったのだが、この気持ちぶっちゃけるとマンネリである。
「今のカメラとはもうすぐ3年目で、決して仲は悪くないしお互いの良いところ悪いところをよく知ってて居心地はいいんだけど、マンネリしている。一緒にご飯を食べてても会話をしないし、セックスのあともお互いすぐスマホをいじってしまう。だからそろそろ…」みたいなの、長文で書いてすっきりしたい
— tonkotutarou (@tonkotu0621) 2019年12月5日
まあ、大別すればマンネリなのだけれど、細かい不満点は多々ある。
液晶やファインダーのクオリティは最新機種に劣る。ダイナミックレンジもマイクロフォーサーズにしては広いほうだけれど、それでもAPS-Cやフルサイズ機に比べると劣っている。
特に、直近のアップデートで、バリアングルとアイセンサーの仕様が大きく変わってしまったのが大変つらい。
アイセンサーの感度もシビアだし、これはちょっと普通に困る。 pic.twitter.com/p3dsmwX1NB
— tonkotutarou (@tonkotu0621) 2019年6月20日
僕は街の中で気まぐれにカメラを構えて撮影したい派閥なのだが、このバリアングルの仕様が変わってしまったせいで、めちゃくちゃ撮影がしにくくなった。
カメラをウエストレベルに構えて覗いているときに、突然画面がブラックアウトしてしまう。ボタンで切り替えることはできるんだけれど、今度はアイセンサーが常時オフになってしまう。
とにかく撮影のテンポ感がわるくなる上に、いまだに対処される余地がないので、困り果てている。
マンネリしているならレンズを買えばいいのでは?
ちょうど、オリンパスのProレンズ群がキャッシュバックキャンペーンをやっているし、レンズを買うこともマンネリの突破口になるとも考えた。
特に、12-100mm F4は評価も高いし、ユーザーの誰もが大絶賛している。新しいカメラを買うことに比べると安上がりだ。
……と思ってはいたのだけれど、問題はボディのほうにある。
直近でオリンパスが発売したE-M1XやE-M5 MarkIIIは、ほとんどE-M1 MarkIIと変化がなく、オリンパスのカメラ周りでは最近不安なニュースも絶えない。
E-M1 MarkIIはいいカメラだ。だけど、これから先、メーカーの新機種に期待する楽しみなどはあるのだろうか。そう思うと、ボディありきのレンズに投資することが、なんだかもったいなくなってきてしまった。
E-M1 MarkIIの買取価格が下がってきている
発売してから3年が経ち、E-M1 MarkIIの買取価格がだいぶ下がってきてしまっている。
2019年現在、E-M1 MarkIIのマップカメラのワンプライス買取は76000円。
新機種が出ない以上ここから一気に下がることは無いと信じたいけれど、それでもじわじわと下がってくる買取価格を見ていると、乗り換えを検討している身としてはむらむらしてしまうものである。
では、どのようなカメラが候補に入るのだろうか。
僕が考えているのはSONYのα7 IIIと、FUJIFILMのX-T3である
E-M1 MarkIIからの乗り換え候補①:SONY α7III
E-M1 MarkIIからの乗り換え候補として、真っ先に頭によぎったのがα7IIIだ。
αIIIは、飛ぶ鳥を落とす勢いで売れ続けるフルサイズミラーレスの大本命であり、近年のフルサイズミラーレスブームは実質α7IIIブームだと言っても過言ではあるまい。
α7IIIに感じているメリット、魅力
僕はカメラオタクではないのでいちいちスペック表を出したりはしないが、僕がα7IIIに感じているメリットを挙げるとこんな感じである
- フルサイズなのに手ごろな価格(2019年現在21万前後)
- 大絶賛のセンサー、AF性能、連写性能。瞳AFは動物にまで対応
- ボディ内手振れ補正付き
- バッテリーの持ちがいい
- シグマ、タムロンによる豊富なEマウントレンズ群
などなど。
改めて乗り換え先を検討すると、α7 IIIはマジでベストなバランス感のカメラだと思う。
スマホには無いダイナミックレンジや感度、そして連写性能。ミラーレスのバッテリー問題も解決している。昨年からはタムロンやシグマが安価な標準ズームをラインナップし始めて、いよいよEマウントレンズが充実してきた。当たり前のように手振れ補正を搭載していて、オールドレンズで手振れ補正も楽しめる。
うーん、改めて見ても、本当にいいカメラじゃないか。
12月20日にはシグマがEマウントの24-70mm Art F2.8を12万で発売することもあり、なんと30万前後でF2.8標準ズーム環境がそろってしまう。
先行しているTamronの28-75mmも安くていいレンズだと言うし・・・
今のところ望遠が必要となるシチュエーションが少ないので、これはかなり魅力的である。
しかも!!!!!!!!!2019年12月現在、キャッシュバックキャンペーンもはじまった!!!!!!!すごい!!!!!!!
α7III に感じているデメリット、不安
レビューも多く、実質フルサイズミラーレス界、特にポートレート界隈などでのデファクトスタンダードになりつつあるα7III。レビューも豊富、周辺機器も豊富。なのになぜ踏み切れないのだろう。
- グリップ感(改善されてきたけど、まだ小さい)
- レンズとのバランス、大きさ
- いや、ボディ+レンズで30万ってやっぱり高いわ。
- 操作感に対する不安
- レンズの割高感
- 撮って出しがあんまり好きじゃないかも
- レンタルサービスが無い(=高い)
- ホットシューが独自規格?
これはね、もう完全に僕が悪いですね。僕が持ってるソニーへの偏見が悪い。
ソニーのカメラ、レンズに対してボディが小さすぎてすごく使いにくそうな印象を持ってしまう。
もちろんメリットも大きいんだけど、そのたびにstudio9さんの記事を読んで冷静になっている。
で、この操作感に対する印象の悪さと、なんだかんだフルサイズのボディとレンズの大きさ。このせいで、カメラ離れしてしまいそうな不安がある。
僕のようなへっぽこカメラ好きにとって、カメラの携帯性は大変重要だ。ミラーレス生まれマイクロフォーサーズ育ちの僕なので、フルサイズのボディはどうしても大きく感じてしまう。
こればかりは実際に使ってみないと分からないところなのだが、SONYは公式のレンタルサービスをやっていない。α7IIIは人気機種ということもあってか、機材レンタルサービスではレンタル料が割高だ。
フィーリングが合わないリスクがあるのに、α7IIIとレンズで30万近く払うのはいかがなものだろう。
そんなことを考えて、二の足を踏んでしまっている。
E-M1 MarkIIからの乗り換え検討②:FUJIFILM X-T3
こちらは正直大本命である。
富士フイルムのカメラの色が本当に大好きで、去年くらいからずーーーーーーーっと欲しい欲しいと言っていたのだ。
X-T3が欲しい(日本語訳:X-T3の魅力・メリット)
御託はいい。俺にX-T3の魅力を語らせてくれ
- 見た目がカッコいい。シルバーがある。
- jpegの色が良い。クラシッククロームさんの子になりたい
- 正当進化してきたAF性能。瞳AFもついてる
- なんか知らんけど連写もできる
- ニコンのDfに似た操作感
- 3軸チルトシフト液晶
- bluetoothとwifiがついている
- XF16-80mm F4の登場による手振れ補正問題の軽減
- なんか動画もいける
- ファームウェアの更新頻度が早い
- 防塵防滴設計、ちょうどいい大きさのボディ
- レンズキットで23万
- キャッシュバックで3万円安くなる!!!!!!
- フジのショールームでレンズ借り放題
などなどである。枚挙にいとまがない。良いところを無限に話せる。
フジフイルムと言えばとにかくjpeg撮って出しの色がいい。僕は写真はもっぱら写真はSNSに上げるだけなので、jpeg撮って出しの色がいいのはすごく魅力的だ。承認欲求直結である。
富士フイルム、歩きながら適当に撮ってるだけでエモエモになる気がするので超欲しい(暗い写真) pic.twitter.com/QlK8w82awM
— tonkotutarou (@tonkotu0621) 2019年11月29日
ダイヤル操作も直感に訴えてくるし、なにより三軸のチルトシフトがいい。チルトシフトはα7IIIにもついているけど、E-M1 MarkIIのバリアングルの仕様変更につかれていた身としてはとても魅力的だ。
とはいえ、実はちょっと前までX-T3とα7IIIで迷うことはなかった。
決め手となったのは、先日発売したXF16-80mm F4の登場である。
このレンズが手振れ補正耐性をつけてきたのが非常に大きい。
E-M1 MarkIIの手振れ補正に甘えてきた身として、手振れ補正は必須だからだ。しかもレンズキットで3万円もキャッシュバックがつく。α7IIIで同環境をそろえるよりも10万近く安い。すごい。無料じゃん。
単純にこの画面が見たくてやってるけど、これにキャッシュバック3万ならもういっちゃっていいのでは(錯乱) pic.twitter.com/HNX9avRJF3
— tonkotutarou (@tonkotu0621) 2019年12月2日
いずれは単焦点レンズも欲しいところだが、こちらは富士フイルムの大阪ショールームで、無料、もしくは1000円前後でレンタルすることができる。ラインナップがそろうまではそちらでカバーできるので、レンズ一本でも楽しく過ごせそうである。
このような条件がそろってくると、α7IIIと比較して俄然X-T3が魅力的に思えてくる。いや、もうポチりたい。ポチってもいいよね?
FUJIFILM X-T3に感じる不安・問題点
いやいや、いったん落ちつけ。クールになれ。E-M1 MarkIIは最高にクールなカメラだ。俺がE-M1 MarkIIに学んだこと。それはクールであることだ。クールでクレバーな俺は冷静にデメリットを確かめられる。落ち着こう。
- バッテリーが貧弱→USB給電で解決できる?
- グリップが浅い=小指が余る
- RAWをスマホにwifi送信できない
- E-M1 MarkII+12-40mm F2.8に比べると寄れない
- 絞りダイヤルの反映にラグがある
- スーパーコンパネが無い(当たり前)
- 単焦点で手振れ補正が使えない
くらいだろうか。
特に一番心配なのがバッテリー面だ。先日フジフイルムから借りた際は3時間くらいでバッテリーがひとつ無くなってしまった。いくらなんでも早すぎる。バッテリーグリップは3万円前後と高いので、こればかりはバッテリーを買い足して対応するしかなさそう。
……と思ったが、そういえばX-T3はUSB給電に対応しているので実は案外なんとかなりそうな気もする。
グリップの浅さも縦グリを買えば解決できるが、サードパーティ製のグリップを買えばもっとコストは抑えられるだろう。
一番の問題点はボディ内手振れ補正がないことだ。
E-M1 MarkIIのボディ内手振れ補正はとにかく強力であり、僕はそれに大いに甘えて暮らしてきた。特に、昨年Nikon Dfを手に入れてからは、手振れ補正のありがたみを改めて噛み締めた次第である。
せっかくミラーレスを選ぶのだから、どうせならば手振れ補正が欲しい。もちろん、X-T3シリーズのコンセプトには合わないのだろうことは分かっているが。
本当はX-H2を待っている
そう、つまり僕にとって理想のフジフイルムのカメラはX-H2である。
X-T3で進化したプロセッサー・センサー周りの機能に加えて、X-H1のグリップ感の良さと手振れ補正があればそれが僕にとって理想のカメラとなる。
X-H1も来年で2年が経つ。ネット上の噂ではX-H2は当分先という話もあるので期待はしていない。
していないんだけれど、X-T3のスペックで懸念を抱いているところはすべてX-H1系統のシリーズで解決できることを考えれば、ついついX-H2を夢想してしまう。
まあそれでも、いずれ出るであろうX-T3のために今からXシリーズに慣れて、レンズをそろえておくのは悪くあるまい。
・・・などなどと、買わない理由じゃなくて買う理由を探しているな。
全部キャッシュバックキャンペーンが悪い
グダグダと5500文字語ってきたが、要するにキャッシュバックキャンペーンをメーカーが連発するから悪いのである。
特にフジフイルムは本当にひどい。だって3万円キャッシュバックだぞ!?
E-M1 MarkIIを手放せば、X-T3と16-80mm F4のセットで実質12万だぞ。いくらなんでも安すぎないか?
いや、でも、カメラは地味に仕事でも使うから、ソニーも捨てがたい。特にα7IIIはマジで定番機になっている。正直なところ、ハイアマチュア級の価格帯で迷うんだったらとりあえずソニーを買ったほうが絶対に幸せになれるのは間違いない。でも、フジフイルムの色が好きだし……いや、そもそもE-M1 MarkIIのような素晴らしい機種を安易に下取りに出して買い替えてしまって本当にいいものだろうか。うーん……
なんてことをここ最近24時間四六時中考えてしまっているので、いい機会なので文章でまとめてみた。
本当にいよいよ勢いづいてしまったときのために、マップカメラの3%割引券をメルカリで買い、住民票の写しもすでに手元に置いてしまっている。
なにしろ今カメラを買えば、年末年始の休みの間ずっとカメラを触れるのだ。いまここで買わない理由はすでにだいぶ少なくなっている。
あーーーーーーーーーーーーーカメラ欲しい!!!!!!!!!!!